私が一番望んでいたこと
おとなしい子どもだった。
きっと頭の回転も遅く、口も回らない子どもだったと思う。
ただ、それなりに自分の表現方法があったはず。
だけど、残念ながら、
私なりの表現方法で人に伝えることができなかったようだ。
口の達者な人に囲まれて、私の気持ちは勝手に代弁されていく。
私の気持ちはいつの間にか、周りの人たちが決めるものとなった。
伝えたかった。
聞いてほしかった。
かまってほしかったのではなく、ただ、つたない私の言葉に、じっくりと耳を傾ける人が一人でもいてくれたら、私の人生は全く違ったものになったかもしれない。