幸せ?
20歳の頃、
生きてきた自分の人生を振り返り、
「私は幸せで平坦な人生を生きてきた」と思ったことがある。
あれは、「思った」のではなく、
「思い込みたかった」のだと、今となってはわかる。
幸せな家族、たくさんの友達、勉強もそこそこできて、クラブに打ち込んで、
何の問題もない、平和な人生。
誰から見ても、きっと、なにも遜色のない私の人生。
あー、幸せ。
これが幸せというものなんだろうな。
どこか、もやもやする気持ちには全く気づかなかった。
気づかないふりをした?
というより、そもそもその頃の自分には「気持ち」なんて存在していなかったと思う。
気持ちや感情を押し殺して、なんとか生きてきた。
私の人生はそんなもんだった。
黒い大蛇が腹の底に眠っていることに気づくのが幸せか、
それとも、そんなものが存在することすら気づかないことが幸せなのか。
ほんとは、
黒い大蛇を創り上げないことが一番幸せだったんだろうけど、
自分がサバイブするためには、ああするしかなかったのかもしれないと、
今でも思う。
非常にもったない生き方をしてきてしまった。