『春にして君を・・・』
先日、アガサ・クリスティーの『春にして君を離れ』を読んだ。
主人公は、良き妻、良き母親である一人の女性。
末娘を見舞うためにバグダッドへ行くが、その帰りに大雨で足止めをくらう。
滞りなく周囲の人間が過ごせるように、常に忙しく、日々生きてきたその女性だったが、ぽっかりと、何もすることがない数日を過ごすはめに。
慌ただしく生きてきた彼女が、初めて、自分の「真の問題」に気づきそうになる・・・。
現実を、自分の受け取りたいように、捻じ曲げて解釈し、ある意味、妄想の世界に生きてきた主人公。
これって、まるで私の人生だ。