トカゲと緑色の蛇
幸せな人生を送ってきたと思っていた。
でも、父の介護をしている母を見ていると、なんだか気分が悪くなりそうになる。
なんだろう・・・。
なんとも言えない感覚。
直視したいけど、したくない。
してはいけないような感覚。
それは、9年前の5月か6月。
ちょうど仕事が一年間くらい忙しく、そっちのことでも体調が悪くなりそうなタイミングだっただけに、自分が壊れそうな感覚に襲われることが多々あった。
父のガン宣告をきっかけに、直視したくないことから目を背けることができなくなり、パンドラの箱が開くことになる。
『春にして君を離れ』で、
主人公ジェーンが真の問題に気づきそうなとき、
トカゲが顔を出したり、緑色の蛇がにょろにょろと出てくる描写がある。
ああ、私だけではなかったんだな、あの感覚。
9年経って、そのことを知る。